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英語を使う仕事【外資系医薬企業2/10】グローバル企業で得た私の仕事流儀

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みなさんこんにちは、STです。前回は私のプロフィールと、英語とどうかかわって仕事をしていたのか読んでいただきました。

今日は、もしみなさんが英語を使った仕事を得る機会があった場合に、きっとプラスになる仕事の流儀をお伝えしたいと思います。秘伝なのですが、出し惜しみなくお伝えしたいと思います。

ところでみなさん、Twitterなどを見ていて、台湾や香港の人たちが自分たちの国の状況を伝えるために英語はもちろん日本語まで駆使しているのを見かけることはありませんか?

あれはアジアでもグローバル化が進み、多言語時代がやってきたことの証拠だと思うんですよね。

私の世代では「国際化」と言っていましたが、今は「グローバル化」と呼ばれるこの外国との国際的な関わり合い。これは近代以降ずっと進んできて、これからも進んでゆくものと思われますので、乗り遅れることのないようにしましょう。

そんな私は今年で50歳です。08年まで外資系の製薬会社におりましたが、祖母の介護や母の介護のために地元に戻ってまたやり直しました。いきなりヘビーな話題で恐縮ですが、これはしんどかったです。外資系の製薬会社での勤務を早期退職して、一円の得にもならない祖母の面倒をみたりしたわけですから、「どうしてあの会社を辞めてしまったのだろう」という思いは今でもあります。

みなさんもいずれ直面する問題でしょうから、早めに対処しておきましょうね。

ではここから私の仕事の流儀の秘伝をお伝えします。

挨拶、季節折々のコミュニケーションが信頼関係を育てる

英会話カフェイメージ4
こんな私ですが、外資系の製薬会社での勤務を通して自分で見つけ出した、誇りに思う仕事の流儀があるんです。それは、「挨拶は必須」「季節折々のコミュニケーションが信頼関係を育てる」です。

いくらスピードの時代とはいえ、要件だけのメールや電話。これでは信頼関係は得られません。

メールの場合、名前にDearをつけるのはもちろん、”I hope you are well.”(お元気ですか?)などの出だしに続き「日本では今は桜の季節です」「クリスマスですね。どうお過ごしですか」といった季節に関係ある雑談をし、好きな映画や音楽、仕事が終わったら何をして過ごすかなどを仕事のパートナーとやり取りするのです。

そしてコツは、雑談とはいえ真面目に話すことです。そうすれば相手も「この人はきっと誠実な人柄なんだろうな」と思ってくれます。

また、お互いに信頼関係が出来上がってきます。そうすると、同じプライオリティー(優先順位)の仕事が、例えば私とBさんから同時にAさん(いつも私と会話を交わしているパートナー)に入ったとします。すると私の仕事の方を優先してもらえるものなんです。

いつもやり取りをしていると人間ですから情も湧いてきますし、急ぎの要件をお願いした時に自分の方を優先してもらえることが実際に度々ありました。度々、と言うか私の要件は常に優先してもらえるような状態になっていたような気も。

そうすると上役たちの間でも「STさん経由で急ぎで依頼しよう」なんて話になることもあり、私は海外との窓口として活躍していたんです。

なぜ雑談が重要か思い知らされた件があります。

まだ私が国内のメーカーにいた時ですが、私はデビーさんという仕事のできるアメリカ人女性を相手にメールやファックスのやり取りをし、いつもちょっとした会話を交わしていました。

彼女の上司が来日した時に私にこう言ったんです。「君は猛獣使いみたいだね!デビーはキャリアウーマンで、仕事はできるけど気性が荒くいつも怒ってるんだ。だけど君からファックスが来ると急に穏やかになって、ニコニコして読むんだよ」

この件があって以来、私はどんなに忙しい時でもちょっとした雑談は交わすようにしています。

英語を学ぶことで様々な背景の人と仕事が出来る

私の世代にとって、外資系企業というと欧米の企業でした。

しかし、今は時代も変わりアジアにも巨大な企業はたくさんあります。中国にも韓国にも巨大なITやエレクトロニクスの分野の企業があります。それだけでなく、中小企業もたくさん日本に進出してきています。

会社によって使われている言語は違うとはいえ、実際の現場では「英語はできて当たり前」という風潮があります。中国人や韓国人は英語が上手な人が多いですからね。

私の経歴では欧米人との仕事が多かったですが、仕事のパートナーとなる相手がいるのが、スウェーデン、ベルギー、イギリス、アメリカ、プエルトリコ、フランスと多岐に渡っていて、そのパートナーたち全員とちょっとしたやり取りをメールなどでしていたわけですから、私は日本のオフィスにいながら様々な外国文化と接していました。今となっては離れてしまいましたが、それは本当に得難い経験です。

例えばスウェーデンでは扶養控除が無いため、男女が一緒に住んで子供がいても結婚していないことが多くあります。あるスウェーデン人女性が「私のパートナーが」とか「私のボーイフレンドが」とか「私の息子の父親が」と言うので、この人どういう男性関係の中で暮らしているんだろう?と思ったことがありましたが、みな一人の男性を指して言っていたのです。

多様な人が働く環境は平等性と透明性が高い


そしてここからもまた本題の一つなのですが、多様な人種、多様な文化の持ち主が働く職場はとにかく平等を重視します。医薬ですからクリーンなイメージ戦略を展開したいというのもあったかもしれません。

しかし、性別による給与の違いはもともとありませんし、管理職もほぼ男女半々です。さらにクリーンなイメージで売りたいという会社の思惑もあり、セクハラには厳重対処していました。

こんな逸話があります。当時60代のある男性社員が「嫁入り前の娘がそんなことを言うもんじゃない」と言ったところ、女性陣が立ち上がって「それセクハラ発言です!」と言うくらい厳しかったものです。

「嫁入り前の娘」と言う表現がセクハラかどうかは別とし、特に女性が活躍する企業ではセクハラに対して厳重に対応しようという風土があります。泣き寝入りするような社員は私の知る限り居ませんでしたし、セクハラを理由に解雇された社員もいました。

セクハラやパワハラのない環境は仕事の生産性を高めると私は信じています。不必要なことに神経を巡らせなくても良いからです。

また、多様な人たちが働く職場では、多様な価値観を尊重しているように思えました。性別、国籍、セクシュアリティーなどで不当に扱うことは厳しく禁止されていました。

私自身が恵まれた環境にいたなと思えるので、やはり若い人たちにはセクハラやパワハラに遭って欲しくないと思いますし、少なくともこの記事を読んでくださっている方にはひどい目に遭って欲しくないと思い、この件について紹介させていただきました。

そんな職場へのパスポートの一つが英語力ということだってあるんです。

同僚とのコミュニケーションを通して自分の成長を実感

このような環境で働いていましたが、先ほどご紹介したスウェーデン人女性。私の仕事のパートナーで、彼女が東京に出張に来た時は夫のことを「私のパートナー」と言ってみたり「私のボーイフレンド」と言ってみたり「私の息子の父親」と言っていた例の彼女が、ある日「私の夫が」と言いました。

どうしたのだろうと思って聞いてみると、「息子が小学校に上がる時に、家族の姓を統一したかったから入籍した」と知らせが来ました。ついこの間、「パソコンを持ち帰って仕事してたら息子がテーブルから落ちて怪我した」なんて言っていたのに、もう小学生なのか、と私も嬉しかったです。

そして、ひたむきに仕事をしていれば、これまで関わった人たちの成長とともに自分も成長できたと感じられるようになります。あの人も成長したんだから、自分もバージョンアップしなければ、という気持ちも湧いてきます。

ちなみにスウェーデンの会社では子育て中は午後3時に退社して家で仕事をしてよいそうです。こういった海外の生産性の高い部分をなんとか日本に持ち込めないものかと、私はもどかしい思いですが。

今回は仕事のパートナーとの雑談が信頼関係を築くことについて自論をお話ししましたが、こういった雑談能力をつけるためにも、ビジネス英語だけではなく、海外で生で使われている英語を知ることをお勧めします。

留学ができたらベストですけれども、国内でも英語圏の人と友達になったり、格安航空券で海外旅行に行ったり、SNSでつながったりできます。

とはいえ、若い時期には学習に重きを置いて正しい英語を身につけることが重要ですので、SNSだけで済ませるよりは英会話スクールや短期・長期留学ができるとベストですね。

次回は自分のステージが上がれば周りのステージも上がる、という私の体験をお話しできればと思います。
ありがとうございました。


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